なんとなくアジア(旅の日記から)
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移動編/パキスタン・シャンドゥールパス(Shandor pass) -1
 
■ギルギット (Gilgit) からチトラール (Chitral) へ
ギルギット-チトラール地図
 

ギルギットからチトラールへ。5月下旬のこの時期、途中のシャンドゥールパス(3720m)を車で越えられるのかどうか、 ギルギットで調べた限り確かな情報は得られず、要は行ってみるしかないという結論になった。この旅は合計20日ほどだったのでここは思い切ってジープを一台、 チトラールまでチャーターすることにした。運転手と打ち合わせて途中峠の手前で一泊し、翌日チトラールに到着する予定を立てた。

出発は余裕を見て朝7時発。まずは順調にギルギット川に沿って進む。この調子でゆけば本日の宿泊予定地に陽のあるうちに着けるかなと見積もったが、 9時過ぎに渋滞でストップ。何事かと渋滞の先頭へ様子をみに行くと道が土砂で埋まっていた。いきなりこれでは先が思いやられる。 とにかく復旧作業がその場にいた人手で行われていたので、微力ながら作業に参加する。人手でやっていたんでは埒が明かないと思われたが、 それでも2時間もすると何とか車一台分通れるスペースが確保できた。とりあえず一台のジープが通過を試みる。何だか見ていてハラハラ。土砂崩れ現場 失敗したら崖下に真っ逆さまだし。「うわぁー思いっきり車体が傾いてるよー...命がけで通らなくてもいいのに。 もう少しスペースを広げてからアタックすれば?」と考えるのは私だけか。一台が無事通過すると今度は我先にと開通したすき間に突進してくる。 しかし、ジープはいいが、土砂崩れ直前で停車していたバスが強引に押し通ろうと動き出した。まわりが「やめろ!引き返せ」というのを無視してアタック。 そして途中で側面を岩に引っかけて停まってしまった。前にも後ろにも動けない。せっかく開通したのもつかの間、今度はバスを救出しないといけなくなった。


土砂崩れの現場をパスしたときはもうお昼前だった。これは大きなロスタイムだ。後半は夜間走行になるかな。それでもその後しばらくは快調に時速40-50kmで飛ばす。 が、しかし今度は道路工事、いや、崩壊現場の復旧作業か…に遭遇。今度は重機が投入されていて作業が終わるのを見守るだけ。通過可能になるまで現場で小一時間。 もう、なるようになるさと思うことにした。
さて、再び気を取り直して出発。ちなみにハイヤーしたジープは運転手と私の2人が乗っているだけで後ろの席が空いていた。 それで時々道端でヒッチしている地元の人を拾っていった。 この地域はバスや乗り合いジープが少ないからか、 あるいは単に乗り合いジープと勘違いされたのか頻繁に道端から手が上がる。復旧工事中 こちらもヒッチで何度もお世話になっている身。今回もパスーからギルギットまでごやっかいになったので、可能な限り拾っていった。 だがこの地では私たちに対して感謝の言葉がかけられることはなかった。ほぼ全員が共通して、アラーの神にのみ感謝していた。 「この車を寄越してくれてありがとう」みたいな。


ヤスィーン (Yasin) への分岐点グピス (Gupis) を越えると道は少々狭くなった。崖にへばりつくように作られた区間ではすれ違いに時間がかかる。 眼下を流れる川はいつの間にか白濁とした荒々しい流れから渓流の風情に変わった。 川べではマス釣りが盛ん。今日の宿でマスにありつけるかな?
そろそろ陽が傾き、谷間は山陰になってしまい冷えてくる。かなりの間、まとまった時間の休憩をとっていない。川に降りて一息いれたいが、 予想よりはるか手前を走っているのでゆっくりしてもいられない。チャーシ (Chhashi) のチェックポイントに到着。この村で一泊してもよかったが、シャンドゥールパスを車で越えられるかどうかがわからないので、 もう少し前進することに。今夜のマスの塩焼きはあきらめねばならない。ここからパンダール湖 (L. Phandar) までは急カーブの続く上り坂。登りきって湖を見下ろすころに日没。しばらくして完全に真っ暗に。すれ違う車もぱったり途切れた。

 

diay コンテンツに移動 page topへ移動 next page   1999/5/23-24