なんとなくアジア(旅の日記から)
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トラブル編/ぎっくり腰でトルコ 2003
 
■Day-1(マルディン)
 
   
 
 

この出来事はごく単純に、イスに座り損ねたことが原因だった。床にドカッといった瞬間に「これはまずい!」と思った。

シリア北東の街、デリゾールを早朝に発って、カミシリ-ヌサイビンボーダーを越えてトルコ入国。この日はディヤルバクルに宿泊、その前に途中のマルディンに立ち寄って、去年知りあいになった幾人かに写真を渡そうと考えていた。マルディンまで1時間ちょっと。着いてすぐにディヤルバクルまでのバスのチケットを手配し、バスのオフィス兼待合室にバッグを預けて街に入った。そして最初に尋ねたのがMarufの家。ウル・ジャミィ横の家なので簡単に辿り着けるから最初に訪問したのだ。運良くMarufは在宅していて、なんとなく覚えていてくれたらしく、すぐに家に上げてもらった。

maruf & serifeMarufは去年マルディンに来たとき、ちょうど彼の結婚パーティーが路地裏で行われていて、その写真を撮った。その夜、家に招待されたのでちょっとお邪魔した。ただ、彼もその一家も言葉が通じないのでそれほど彼らについては知らないし、今回もやっぱり言葉は通じず、写真も無事渡したことなので、早々に退散しようと腰を上げたのだが、そこへメロンやチャイが運ばれて来たために、もう一度座ろうとした。これがまずかった。

事の起こった直後、全く動けなかった。ちょっと体をよじるだけで激痛だ。最初はみんなが冗談だと思ったらしくて笑っていたが、どうやら本気で動けないことに気付いて、ひどく気まずい雰囲気になった。実はこの日は特別な日だったのだが、その時にわかるはずもなく、彼のお母さんが「チッ、チッ、チッ」と舌を鳴らすのを聞いて悲しくなった。ついさっきまで、はるばる写真を届けに来てくれた客人だったのが、あっという間に厄介者になってしまったと感た。とりあえずベッドに担ぎ上げられたあと、Marufを残してみんなイソイソと部屋からでていってしまった。

ディヤルバクル行きのバスが出るまであと1時間あるが、以前ぎっくり腰になったことがある自分はこれが数時間で直るものではなく、普通に動けるようになるまでに数日かかるのを知っていた。なので、とにかくバスをキャンセルして、何より荷物を引き取らないといけない。そばにいてくれたMarufに、身振り手振り&バスのチケットを見せて何とか事態を把握してもらった。

近所の子

荷物は無事届けられた。そして荷物と一緒にグズグズ泣きわめいている彼の妹も連れてこられて、部屋にもうひとつあるバッドに寝かされた。どうやら風邪で熱があるらしい。つまり病人はこの部屋に隔離されたらしい。その日の未明、上の階で女性の苦しそうな声がして、バタバタと人が会談を降りてゆく音がしたあと、病人2人を残して誰もいなくなってしまった。

diay コンテンツに移動 page topへ移動 next page   2003/8/14